ムナーリは1948年にミラノで結成された「具象芸術運動(MAC〓Il Movimento d'Arte Concreta)」に参加しています。この団体(活動)にはマックス・フーバー、エットーレ・ソットサス、マックス・ビル(ウルム造形大学初代学長)、ルーチョ・フォンタナなどのアーティストが参加していたようですが、前二者はむしろデザイナーとして活躍した人ですね。この芸術運動は、基本的に抽象芸術の分野で色、線などによって構成される純粋な美の追究を目指していたようです。具象美術というと写生的な美術を連想するのですが、むしろそういった具体的なモチーフの描写に含まれる意味や象徴性を排除した美のありかたを考えた、ということでしょうか。