ムナーリが1961年に作った彫刻「連続する彫刻(scrutture continue)」です。切れ込みのついた金属片を組み合わせてできていますが、分解することができ、木の台座に施された隙間に分解したパーツが収納されます。ムナーリはこの時期「multiplo」と呼ばれるアート作品の複製化にとりくんでいたようで、いわゆる一点のオリジナルしか存在しない従来のアートの枠を越えて作家による作品でありながら版画のように複製を作る、という考えに基づいた活動だったようです。デザインとアートの両サイドで活躍したムナーリらしい考えだと思います。